第10回ソイルストラクチャーコンテスト開催報告

関東支部 会員サービスグループ
学生幹事 長谷川 圭 介(日本大学) 
武 田  陽(東京電機大学)

 平成27年11月14日(土)に日本大学理工学部船橋キャンパスにおいて「第10回ソイルストラクチャーコンテスト」を開催いたしました.一昨年度から運営の立場で参加しております会員サービスグループの学生幹事が報告いたします.
 コンテスト題材~液状化対策~
 昨年度に引き続き液状化対策を題材としてコンテストが行われました.
 コンテストは,用意された地盤材料(6号珪砂)に対して各チーム100円ショップで購入した材料を3点使用して,液状化しにくい地盤を目指して模型を作製し,変位量・アイデア・プレゼンテーションの3点を競いました.
 コンテストの様子
 今大会は,11チーム計49名の選手によって競技が行われました.今大会から追加した「対策材料の体積分だけ地盤作製に使用できる砂を差し引く」というルールのため,はじめこそ対策材料の分量に悩むチームもありましたが,地盤作製の段階ではどのチームもスムーズに作業に取り掛かっていたため,事前に対策方法を練ってきていたように伺えました.
 また,対策材料としてはストローや不織布といった昨年度に引き続き登場したものもあれば,とろろ昆布や入浴剤といった斬新な対策材料を選ぶチームもあり,各チーム様々な材料を駆使して対策を行っていました.
 対策工法は,格子状の構造物を埋設してせん断変形を抑制するチーム,礫杭によって間隙水圧の消散を狙うチームなど既存の液状化対策に則ったものから,現在研究している工法を取り入れた対策を行うチーム,その他ユニークな発想の対策法も多くみられました.
 模型地盤の飽和化の際には,地盤内に埋設した吸水性シートが予想以上に膨張してしまい規定の地盤高を超えてしまうアクシデントに見舞われるチームもありましたが,どのチームも終始真剣に作業に取り組んでいました.

写真-1 模型地盤作製状況 写真-2 コンテスト風景

コンテストの結果
 本コンテストは,液状化対策効果,対策アイデア,プレゼンテーションの3項目により採点を行い,総合順位,変位量を評価対象とした優秀対策工法賞,液状化対策工法アイデア賞の三賞を設けました.加振は振動台を用いた段階載荷とし,1段階目で5秒,2段階目で4秒,3段階目で3秒の三段階で加振を行い,審査を行いました.第3加振に辿り着けずに審査終了となるチームも見られた中で,兼松日産農林チームが層状にした対策材料を発泡スチロールで挟んだものをウエハースとミルフィーユに見立てた工法で最大変位量1.1mmという好成績を残して総合優勝しました.対策アイデアは社会人チーム,学生チーム僅差の戦いでしたが,プレゼンテーション部門に関しては日頃から経験を重ねている社会人チームが上位を占めました.また,本コンテストは総合順位の上位3チームを社会人チームが占めており,学生チームと実務経験の差を痛感しました.兼松日産農林チームの皆さん,優勝おめでとうございました!!
 最後に
 コンテストに参加してくださった日本大学,不動テトラ,応用地質・基礎地盤・不動テトラJV,東京大学,三信建設工業,関東学院大学,兼松日産農林,東京電機大学,横浜国立大学の皆様にこの場をお借りして感謝の意を表します.昨年度から引き続き行われております液状化対策ですが,おかげさまで参加者の方からも好評を頂きました.
 本年度のコンテストは,昨年度に比べてルールが厳しくなりましたが,ルールの範囲内であれば対策材料は自由であるため,アイデアの幅が大きく広がったと思います.コンテスト終了後の懇親会では学生同士や社会人と学生の交流があり,大盛況の結果となりました.来年度もソイルストラクチャーコンテストを開催する予定となっておりますので,より多くの方々の参加をお待ちしております.

写真-3 模型地盤の飽和化 写真-4 加振中の模型地盤
写真-5 新聞掲載記事(兼松日産農林)

 表-1 表彰項目

 ~総合順位~
 順位
チーム名
総合点
 1
兼松日産農林チーム
88
 2
三信建設工業チーム
75
 3
応用地質・基礎地盤・不動テトラチーム
69
 ~優秀対策賞~
 順位
チーム名
得点
 1
兼松日産農林チーム
40
 2
日本大学鎌尾研チーム
30
 3
横浜国立大学チーム
25
 ~優秀アイデア賞~
 順位
チーム名
投票数
 1
兼松日産農林チーム
8
 1
三信建設工業チーム
8
 3
日本大学峯岸研チーム
7
 3
応用地質・基礎地盤・不動テトラチーム
7
 5
東京大学チーム
6
 ~プレゼンテーション部門~
 順位
チーム名
投票数
 1
応用地質・基礎地盤・不動テトラチーム
14
 2
不動テトラチーム
11
 3
関東学院大学②チーム
6