特別講演会 「そこで液状化が起こった理由(わけ)−過去の液状化地点の分析-」

 

文責:会員サービスグループ 橋爪秀夫((株)ジオデザイン)

 

平成19年8月3日(金)15:00〜18:00において,地盤工学会大会議室にて標記の講演会が開催されました.ご講演は,独立行政法人防災科学技術研究所防災システム研究センターの若松 加寿江先生によって行われました.参加者は,末岡 徹地盤工学会副会長はじめ,93名と非常に多く,地下大会議室のガラス戸を空け,別途席を用意したほどの大盛会でした.

 ご講演の内容は,聴講者の興味をそそるタイトルで示された8つの液状化事例(@よみがえった400年前の川筋,Aイメージアップを狙ったネーミングには要注意,B対岸の飛び地は赤信号,C千曲川の名前が示す液状化の危険,D名古屋城がもたらした液状化,E生い立ちが違うふたつの砂地盤-砂丘と砂州,F海岸でなぜ液状化?黒い砂の謎,G丘陵地でもご用心!)の他に,平成19年7月16日に発生した新潟県中越沖地震の災害調査速報,さらには新潟地震の貴重な写真の紹介,でした.

 若松先生は一貫して液状化の研究に従事されておりますが,実際に被災現場を調査すると,想像もできないような地盤変状が見られることがあるそうです.この際,被災状況から過去に調査した災害パターンに当てはめる傾向にあるのですが,地形や災害の形状などから多角的に判断すべき,とのお話が強く印象に残りました.

最後になりましたが,当日司会を務めていただきました国立和歌山工業高等専門学校の原 忠先生,貴重な講演会を3時間も実施していただきました若松 加寿江先生に対し深く御礼申し上げます。

 

写真 若松先生によるご講演の様子