関東支部研究委員会の委員公募のお知らせ
「中空ねじりによる液状化強度試験の高精度化に関する研究委員会」

 関東支部研究委員会グループ

 関東支部では、以下の研究委員会を、2020年度から活動期間3年間の予定で新規に設立します。本研究委員会の設立にあたり、以下の要領で委員を公募します。奮ってのご応募をお待ちしています。なお、定員を超えた場合には、産官学のバランスを考慮して選定させていただくことがありますので、あらかじめご了承下さい。

■中空ねじりによる液状化強度試験の高精度化に関する研究委員会■
  ≪1.設立の背景と趣意≫
 近年の地震でも液状化が原因となる地盤災害が多発している。液状化の発生と液状化に伴う被害を精度良く予測するためには、液状化強度や液状化後の変形特性を精度良く予測することが必要である。
液状化強度試験は、三軸試験で行われることが一般的であった。しかし、三軸試験はせん断応力を作用させるために軸圧を作用させるので拘束圧が変化する事から、実地盤、例えば水平成層地盤が地震時に繰返しせん断を受ける時とは応力状態が異なる。そのため、より実地盤の応力状態に近い、中空ねじり試験による液状化強度試験が最近では実務でも行われるようになってきた。
 ところで、三軸試験による液状化強度試験は、いわゆる赤本にもその標準的な方法が記載されているので、業者や研究機関による差はそれほどないと考えられる。しかし、中空ねじり試験機は標準化された方法がないことから、業者によって違いがあると聞いている。一方、解析の実務では試験法の違いが意識されることはほとんど無いので、異なる試験法で求められた異なる試験結果を用いると液状化判定なども異なることになる。
 中空ねじり試験が実務でも用いられるようになると、方法を統一する、ないしは標準的な試験法を設定する必要がある。試験法の設定は本来、本部基準部の仕事であるが、何もない状態から基準部で設定するには無理があるように考えられる。本委員会の目的の一つは、適切な標準的な試験法を検討することである。
 中空ねじり試験機を用いた液状化強度試験は、これまでにも研究面ではいくつか行われてきている。これらの研究では、三軸試験と中空ねじり試験の液状化強度は同じであるという報告と、異なるという報告がある。それぞれの研究では、研究の目的もあり、また、着眼点も異なることがこれらの研究結果の違いとなって現れていると考えられる。今後、実務でも中空ねじり試験が行われるようになってくるとすれば、これらの研究結果をまとめ、何が違うのか、何が同じなのかをはっきりさせておく必要があると考えられる。本委員会の二つ目の目的はこれである。
 液状化強度試験は、もともと液状化の発生を予測するためのものである。しかし、最近では実務でも液状化の発生のみならず、液状化発生後の挙動(例えば変位)などを求めることが要求されるようになっている。従って、液状化強度試験も、単に液状化発生で終了するのではなく、液状化後の挙動も求められるようにするのが好ましい。そのためには、従来の、繰返し載荷時のせん断応力比と液状化に至る繰返し数だけではなく、液状化後の変形を表現するための方法が必要となる。このためには、どのような力学量を液状化強度試験の結果として出力するかを検討する必要がある。本委員会の三つ目の目的である。
 このように、より高精度な液状化強度試験に向けていくつかの課題を解決することを本委員会の目的とする。
  ≪2.委員会の活動内容≫
 1.中空ねじり試験と三軸試験の比較
   既往の論文等の調査
   必要に応じて,委員による自主実験
 2.液状化強度以外の試験法,例えば液状化以後の挙動などに対する試験法の検討
 3.液状化に関する情報交換.
  ≪3.委員会の構成≫
 委員長:清田 隆(東京大学生産技術研究所)
 幹 事:三上 武子(基礎地盤コンサルタンツ)
 委 員:吉田 望(関東学院大学)
  ≪4.研究期間≫
  2020年8月~2023年3月 (第1回委員会は8月頃に開催予定です)
 【応募要領】

 以下の項目をご記入の上、E-メールで下記の応募先までご連絡をお願いします。

 記入項目:氏名・所属・所属先住所・電話・Fax・E-mail・簡単な自己紹介文・当委員会活動を通じてあなたが取り組
 みたい事項の要約(A4横書き、原則1ページ以内、様式自由)
 なお、運営上などの理由により、人数に限りがあることはあらかじめご承知おきください。

 応募締め切り:2020年7月24日(金)

 応募先:公益社団法人地盤工学会関東支部事務局 宛(E-mail : jgskantou@jiban.or.jp